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リハビリ記録その136

2014-3-2
山内正敏

 極端な寒波の後は大抵極端な暖波(北極圏では雪や曇り)に見舞われる訳で、2月は雪が大量に降り、気温も概ねゼロ度付近に張り付いて、特にここ1週間ほどはプラスでアイスバーンになるありさまでした。日本も2週間程度の遅れで同じ状況ではないかと思います。そのため、外を歩くのが極めて危険な状態で、歩行訓練の出来る状況では全くありません。

 こんな時に出来るのは室内訓練だけで、そのお陰か1月の好調が2月も続いて、1月に記録の出過ぎて限界と思われた松葉杖でも、更に記録を更新しています(病院の廊下10往復3.3kmを運動靴で65分)。他に自転車やプールでも記録を更新し、特にプールでは水深120cmでのランニングの真似事(片足でジャンプの真似事をする)の訓練をメニューの組み込みました。水深135cmでのランニングに至っては、2年前の水深150cmランニングよりも楽な感じで、ランニングという感じなり、更にこの種の訓練に慣れたせいか、シャワーの後も汗が出続けるということはなくなりました。ランニングがそのくらい楽になったということです。
 もっとも、良いことばかりでもありません。それは歩行器のブレーキの故障で(しかもブレーキの替えがなく未だに半分しか修理出来ていない)、その為に一度は思いがけない転倒で捻挫までしてます。車椅子用のランプの下りで靴が滑った瞬間にブレーキが壊れるという不運に当たったのが理由です。年1回のグループ会議(研究所と別の会議場で、食堂が別棟になっている)の昼食の為の移動の際、足首を固定する補助危惧を使えなかった(昼は介護はいない)為です。今までそれで問題はなく、今年に限って見事に滑ったわけですが、実は木製+0度+軽い雪という悪条件で、これは滑りと思って、本当に気を付けて降りていたのに、それでもスリップを予防できず、しかもブレーキが壊れたので、この手の転倒は予防対策が立ちません。夕方、介護が迎えに来て足首固定器をはめましたが、ランプを下る気になれず、介護ともう一人の肩を借りて階段を下りました。まあ、来年同じ気候だったら会議に欠席するしかないと思います。
 今回の例に限らず、車椅子用のランプは、一般的に傾斜がやや急で危険なものが多すぎます。だから、代わりに階段を使うことがしばしばあります。個人的には、2センチほどの段差を沢山ならべるような「傾斜ゼロ」のランプの方が有り難いのですが(車椅子でもどうにかなる)、そういうランプは今後も現れないのでしょう。
 ともかく、転倒は過去にも何度もありますが、捻挫するほどのは初めてです。新しい歩行機は(前と同じモデルなのに)トラブルが多く、靴の裏側にスパイクを着けても全く安心できません。ブレーキへの信頼が戻るまでは、できるだけ外を歩くのを避けて、ゆっくり歩くことにしています。
 外での訓練が難しいのはスキーも同じで、昨日の初スキーでは、折角の晴れ・無風・−3度のスキー日和だったのに、結局トラック一周(400m弱)しか出来ませんでした。というのも滑りがちょっと不安定だったからです。アイスバーンでないのに変な滑り方をするので、ちょっと力の加減が難しいのですが、まあ、スキーシーズンはあと4週間あるので、そのうち昨年並みのスキーコンディションの日もあるでしょう。その時に距離を稼ごうと思います。
 さて、前回お知らせした、小中学校(6年生と7年生)が研究所と同じ建物に一時的に同居することになった件ですが、この年齢の子供ってのは非常に礼儀ただしく、身障者に易しいので、気持よく過ごすことが出来ています。考えてみれば、日本でもそのくらいの年齢が一番まわりに気配りができる年代だった気がします。

 最後に例によって無駄話です。今回はスキー。
 オリンピックではノルーウェーのスキーチームが希に見る壊滅的な成績で、リレーで男女共にメダルを取れなかったという番狂わせがありましたが(ちなみにワールドカップの上位は女子が上位4人を、男子もトップ2人をノルウェーが取っている)。これはひとえにワックスが合わなかった為だといわれています。というのも、ソチの異常暖波で、今までのワックスに関するノウハウが全く使えなかったからです。
 スキーでは、ワックス技術、つまりどの滑り止め(踏みつけた時だけ地面に接触する部分のつける)と、どのグライダー(常時地面に接触している両端部につける)を、それぞれどんな感じでつけるか、が重要になります。私の場合は、ツアー用のノンワックスタイプを使っているのであまり問題になりませんが、オリンピックに出るようなプロとなると決定的に効いて、1位と20位の差ぐらい簡単につけてしまいます。
 しかしワックスについて、未だに正式な研究はほとんどないし、データベースというのも聞いたことがありません。材料科学とか、氷関係の科学のトピックとしては面白そうですが、研究室があるなんて聞いたことがないし、ワックス会社も、どこも零細で(スキーで儲かるのは板と靴とスティック)研究員を置ける状態ではありません。結局、各国のスキーチームが職人を雇って(つまり職人技の世界)、自国選手の準備をしている状況です。その為に、今回のオリンピックのような波乱となりました。リハビリもそうですが、スポーツ関係の科学はかなり遅れているようです。

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