Encode is "iso-2022-jp" or just "Japanese" (if the text is "moji-bake")

[リハビリ記録その143]     [ホーム]     [概略表]     [リハビリ記録その145]
============================================

リハビリ記録その144

2014-11-2
山内正敏

10月は前半は秋が長引いて、漸くハンドル部の調整が終わった歩行器で季節外れの歩行訓練を楽しみましたが、その反動で、後半はツルツルの路面で、普通に歩くのすら難儀する天気でした。総合すると例年よりやや良(まるで米の収穫)といえるでしょう。

 さて、発病から13年を迎えました。  この1年の最大イベントは2つで、1つは病気後初めての屋外水泳(湖)で、もう一つはロードス(身障者対応ゼロの環境)1週間でしょう。もちろん、今までの訓練の延長で多くの進展があり、例えば松葉杖であり、例えば足首固定器を外しての訓練の数々です。ちなみに、この1ヶ月半ほどは階段でも足に補助器を何も付けない訓練を始めています。片手手すりでの昇降ですが、想像以上に順調に出来て体操療法師も驚いています。もちろんプールや歩行器にも進展があり、これらは上記ホームページの更新部分にまとめています。

 3年分をかいつまんでまとめると以下のようになります、

松葉杖(廊下1往復が320m)
  2011〜2012冬:72分/廊下10往復
    2012年夏  :8'59"/400m
  2012〜2013冬:69分/廊下10往復
  2013〜2014冬:65分/廊下10往復
    2014年夏  :8'32"/480m

プール
  2012年:毎回水深150mでのランニング(もどき)
  2013年:毎回水深135mでのランニング(もどき)
  2014年:毎回水深120mでのランニング(もどき)、湖で泳ぐ

階段
  2012年:足首固定器+膝バンド無し+松葉杖で昇り
  2013年:足首固定器(膝バンド無し)+松葉杖で昇降
  2014年:何もつけず松葉杖+手すりで昇降

スキー(足首固定器+膝バンド無し)
  2012年春:約1400mを87分
  2013年春:約1800mを87分
  2014年春:約1200mを50分

歩行器
  2012年:足に何も補助具をつけずに3キロ半を81分。ハーフマラソン3時間51分(ロスタイム8〜9分)。
  2013年:軽い登り8.4kmを85分。
  2014年:足に何も補助具をつけずに3キロ半を49分。20%勾配を含むスキーコース(砂利/土道)を3km以上、途中4ヶ所だけ支えて貰うだけで歩き切る。

旅行
  2012年:身障者トイレのないToulouseの研究所で会議
  2013年:初の新幹線使用
  2014年:ホテルも学会場も身障者対策のほとんどないロードスに1週間。アルランダに介護無し(有人の付き添いはあったけど)で泊まる。

仕事
  2012年:欧州宇宙機構の小型ミッション(80億円規模)への提案書を書く(やっと「普通の現役科学者」に戻る)。会議で世話人をする。
  2013年:病休を1/4から1/8に減らす。朝日デジタルの WEBRONZA に月に2回程度記事を書き始める。
  2014年:欧州宇宙機構の中型ミッション(装置込み800億円規模)への提案書の準備中。

生活
  2012年:介護を週約60時間に減らす。
  2013年:介護がアレンジできない日(朝晩1時間未満だけの介護)を夏に何度も過ごす。
  2014年:言葉がほとんど通じず、スウェーデンの常識も全く知らない難民の介護でもどうにかなる。

 こうして見ると発病10年を経たあと、しかも50歳代半ばであってもですら進展が結構あることが分かります。日記をきちんとつけて、それを月々まとめるのは面倒ですが、科学はデータから始まるとのとおり、飽きずにきちんとデータを取り続ける意義を改めて感じました。この分だと暫くは年次回復を報告できそうです。
 話は代わって、キルナ駅です。鉱山の拡張に伴って、1年前にキルナ駅が3キロほど北に移動して新駅なりましたが、4週間前にようやくこの駅まで歩いて行って来ました(片道40分の距離)。移転以来、週末の距離歩行の際に行こう行こうと思いつつも、ついつい別のコースを歩いてしまい、更にここ1年以上汽車を使う機会が無かったことから、実は新駅をみるのは今回が始めてです。
 旧駅は百年前の煉瓦作りのいかにも「駅」という風格がありましたが、新駅は小さな待ち合い小屋があるだけの、実にしょぼい無人駅で拍子抜けするほどです。問題もあり、この待合室が2階建ての2階になっていて(トイレもそこ)、身障者のみならず、足弱の老人とかもエレベータを使わざるを得ないことです。いったい、無人駅のエレベーターなんていつ故障するか分からない代物で、これでは安心して汽車を待てないというのが正直な感想でした。身障者視点と言うのはなかなかに難しいようです。
 ちなみに駅とバスセンター(市役所前)の間には汽車の発着にあわせて無料のバスが走っているので、キルナに来られる方は使用して下さい。

 最後に例によって無駄話です。
 これからオーロラのシーズンとなります。過去のデータを調べると、地磁気活動(オーロラ活動)が高かったのは、1973年、1983年、1994年、2003年と、太陽活動極大期(1968年、1979年、1989年、2000年)の3〜4年後になるので、今は良い時期なのですが、今年はどうにも出足が悪い様で、2年前に始まった東京ーキルナ直行便(今年は12月23日)ですらかなりの空席があるようです。興味のある方はどうぞ(私は1月15日締め切りの申請書でずっと忙しいですが)。

============================================
   []