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リハビリ記録その131

2013-10-6
山内正敏

 例年より赤みの多い紅葉の9月が終わり、何度か積雪もありましたが、未だ秋が続いています。ただし、体調は散々で、痰が全く切れず、気管の詰まり感と軽い悪寒が一ヶ月以上続いています。これは私だけではなく、妙な新種のウイルスが蔓延しているようです。もっとも、これだけ長引いてしまった最大の理由は、直りかけの時に出掛けたトロムソ出張がトラブルだらけだったからです。

 先ず、8月末にやっと見つかった2人目の介護が当初から不安を感じていたように不安定で、出張前の金曜日に急に来れなくなり、それで狂ったリズムが出張に尾を引いたというのがあります。そして出張前夜には尿管(膀胱ロウ)が抜けるというトラブル(膀胱側から止める風船が割れた)まであり、さすがに慌てました。というのも、救急の夜間業務が廃止になっていまい、120キロ離れた病院まで救急車で運ばれるか、或いは日曜朝に介護が来るのを待って救急に行くかかという選択に迫られたからです。
 幸い、抜けた尿管を慌てて入れ直す事が出来て(これは感染症の原因にもなりかねないので賭けに近いかった)、それをテープでとめられたので膀胱ロウの穴が塞がらず、朝まで待てましたが、そうでなければ出張に行けなくなていたところです。最悪の場合は、旅行に向かない尿道カテーテルを入れて、後日新たに膀胱ロウの穴を開ける手術をするという過程になった筈で、今月の日本行きにまで影響が出た可能性があります。
 日曜朝の病院がスムーズに行ったお陰で、当初より30分の遅れだけでキルナを出発するだけで済みましたが、これだって同僚の運転する車での移動だったから変更可能だった訳で、もしも時間の決まっている飛行機や汽車だったら間に合わなかった可能性が濃厚です(飛行機は朝6時出発)。しかも、前夜は尿管トラブルで睡眠不足になって直りかけた風邪がややぶり返してしまいました。
 トラブルは更に続き、木曜午後の空いた時間に見晴らしの良いケーブルに乗って頂上駅からさらに平坦気味の踏み分け路を登り切ったところで、今度は手に入れたばかりの歩行器のブレーキのワイヤーが切れてしまいました。幸い、介護以外に若い人が一緒にいて(彼がいなかったらそもそも登らなかっただろうけど)、片方のブレーキと2人の補助とでなんとか下りましたが、普段より遥かにゆっくり歩かざるを得ず、それで体が冷えてしまって、翌日風邪がぶり返してしまいました。
 こうして体調と崩した金曜午後にキルナまで400キロ弱6時間半のドライブですから、キルナに戻った時はかなり風邪が酷くなったのは仕方ありません。不幸にして、この週末に限り、トロムソ会議に参加した人の何人かを招待して研究所で将来計画に関するミーティングを主宰していて(殆どが月曜から別の用事が入っていて、十数年ぶりに土曜に仕事がはいってしまった)私が休む訳には行きません。
 風邪気味の土曜に12時間も拘束された事で風邪が完全にぶり返して、いまも未だグズグズしています(それでも一昨日昨日はリハビリ訓練を8割程度の調子にまで戻した)。ともかく旅行の際に尿管や歩行器にトラブルがあったら散々な目にあって、計画変更の危機すらあるという事だけは良く分かりました。もっとも、2つも緊急トラブルを抱えるという旅行が、車で移動するタイプの出張だったのは幸運だったと言うべきかも知れません。あと、この歳になると、身障者と言うハンディを抱えて旅行に2つ以上の本格的な目的を入れるのが良くないというのも実感しました。
 ちなみに新しい介護との顔合わせは出張から帰った金曜日の夜で、その彼女がいきなり週末を担当して、そういう意味でも綱渡りでした。今は、この新しい介護が、そのまま2人目として50%程度のローテーションに入っています。

 最後に例によって無駄話です。
 鉱山拡張に伴うキルナ駅移転に続いて、鉱山へのアクセス道路が付け替えられ(というか、その道路の邪魔にならないようにキルナ駅をつけかえた)、10月1日から昔のアクセス道路と、その入口にあるキルナ最大の陸橋が閉鎖になりました。この道路は昨年、今年と歩行器訓練がてらに、地下採鉱の鉱害ともいえる陥没が年々広がっていく様子を見る絶好の見学ポイントだったので、この手の人造自然現象の好きな私には残念ですが、安全の為には仕方ありません。閉鎖の1週間前にも歩きましたが、昨年無かった新たな陥没が確かに広がっておりました。何故地質学者が観測小屋を作らないのか、あるいはせめて観測用の望遠レンズつきwebカメラを置かないのか不思議です。

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