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リハビリ記録その74

2009-1-1
山内正敏

 新年あけましておめでとうございます。4度目の年男が終わってしまいました。

 毎年、なぜか12月中旬〜下旬のどこかで襲って来る異常暖波が今年も襲って来て、クリスマス前後は+6度が数日続き、一旦融けた雪の再凍結で、普通の人ですら歩くのが大変な状態です。だから、歩行訓練は早歩きが出来ない状態で、距離も3〜4キロ程度の短い(?)ものが多く、7キロ程度の長距離は2回しか歩いていません。歩行で有酸素訓練が出来ないので、この手の『代謝だけで汗をかく』訓練は室内自転車だけになっています。それだけに、室内自転車での訓練は更に回転速度が上がって、ほんの2ヶ月前より更に5%ほど速くなっています。
 有酸素歩行訓練は出来なくとも、路面の悪さは良いバランス訓練になっており、例えば歩行器が雪玉(半分氷になった雪の塊で、小石みたいなもの)にひっかかって『座礁』すると、そのショックで体のバランスが崩れるのですが、昨年までなら確実に転倒した程のバランスを崩れでも、なんとか転倒せずに持ちこたえています。バランスの向上は室内での歩行訓練にも現れていて、例えば、膝バンド無しの松葉杖で体操療養師に腰を支えて貰いながら片杖を降ろす前にもう一つの杖を宙に上げる『交互杖』訓練では、片足+片杖になる一瞬の安定性が高まって、補助が単に手を添えるだけの状態になっています。この分だと半年もすれば、補助無しで『交互杖』が出来るようになるでしょう。
 階段の昇降訓練も順調で、 松葉杖+手すりで昇降 する訓練は(11月までは体操療養師の肩に掴まっていた)、登りだけでなく 下り もあっさり出来てしまいました。まさか年内に出来ると思わなかったので、嬉しいを通り越して少々驚いています。この調子だと膝バンドなしで同じ事が出来るのも、そう遠く無い(夏あたり)かも知れません。もっとも、友人宅でそれを応用するには、十分な手すりが必要なので、実際の階段の場面では座り込んで昇降するという安全な方法を使っています。この方法を取得したお陰で、つい最近だけでも2度も友人宅で夕食をお茶を楽しみました。こういう機会は今年は飛躍的に増えるでしょう。
 プールの方は、階段5段目(水深35cm)にしゃがんでの四つん這いで膝を完全に伸ばし切る事が出来るようになって、予想通りの順調な進展をみせています。そろそろ、プールの外でも同様の訓練が出来ないか模索すべき時期にさしかかっているようです。

 介護を民間サービスに代えてから一ヶ月ですが、今の所、順調です。正念場はストックホルム/ウプサラに4度も行く今春(1月末、2月末、3月中旬、5月)で、その時の現地介護のアレンジが一番の懸念ですが、それは次回以降に報告します。介護以外では、タクシーでの同乗者の問題が突然起こって、それで少々ごたごたしています。
 キルナ市身障者部門の身障者タクシー課の担当者が定年で交代したのに伴い、新人の担当者が仕事を知る為に身障者タクシーに関する法律を調べたそうですが、その文面によると、身障者タクシーに介護を同乗させて良い要件というのがあって、タクシーで移動中に介護が必要な場合のみに介護をタクシーに乗せてよく、さもなければ、いかに移動先で介護が必要であろうと、介護を乗せて良い要件にはならないそうです。狐につままれたような話で、私のケース(数年前より格段に回復している)が問題になりました。

 私が介護タクシーを使った実績だけから言うと、その殆どは研究所と自宅の往復で、車に乗っている間に介護を必要とするケースは殆どありません。しかも、最近では研究所に介護を連れて行かない日の方が、介護を連れて行く日よりも増えており、その意味では介護を車に乗せなければ困るという訳でもありません。とはいえ、介護が必要な日(図書館での調べものやコピーやスキャン)もあるのは事実で、にも関わらずバスの殆ど走っていない研究所に行くのにタクシーに介護を同乗させられないというのは奇妙な話です。
 立法の精神にまで遡ればノーという事は有り得ないでしょう。実際、どんなに重度の身障者でも、タクシーの中だけなら、普段は運転手の手助けで十分だし、逆に普段の生活に介護を必要とする人間は、もしもタクシー移動中に何かがあった場合は、私のレベルの身障者でも介護の手助けが必要です。例えばストックホルムの様な渋滞の酷い街の場合、途中で服を脱着する事がある訳で、そういう可能性まで含めれば私のケースでも介護を同乗させて良い事になります。今回も、そういう話を新しい介護会社のトップがキルナ市の担当者と話してくれたお陰で、話が変な方向に行く前に取りあえずの決着がついて、次回の資格更新時(10ヶ月後)に再度議論することになりました。
 それにしても驚いたのは、移動の意味の解釈でした。タクシーに乗っている間という意味なのか、タクシーを含む移動行程全体という意味なのか解釈の違いで話は違って来ます。立法の精神からすると後者だろうと思うのですが、新人の小役人にそういう含みを求めるのは難しく、彼女は前者で解釈してようです。私の場合、たまたま研究所が自動ドアで、かつアパートで必ず介護と待ち合わせしているから、一人でタクシーに乗る事が可能なものの、他の、例えば友人宅に行く場合は、ドアを自力で開く事も、簡単な段差を自力で登る事も出来ない私の場合、タクシーを降りた直後に介護が必要になります。しかし、新しい担当者に言わせれば、それもタクシーの運転手が助ける性質のものだそうで、これだから実情を知らない新人は困ります。
 こういう新人を納得させるには、立法府の見解を求めるのが早道で、その為に、またも全政党にメールを出す事に必要を感じています。メールを出すとなると、法律の文面自体にも意見が言いたくなります。今の文面では、介護付きで仕事に復帰しようというする身障者の意欲を妨げる事になります。自治体にかかる費用は、タクシーに同乗させるかさせないかの差だけですから、そんなに大きなものではありません。

 最後に例によって無駄話です。
 まずタクシーの話の延長ですが、キルナでは平日夜間のタクシーが無くなりました。0時〜5時は介護タクシーと予約式空港タクシーだけは走っているものの、タクシーを呼んでも来ません。もちろん、金曜夜と土曜夜は別で、飲み屋で酔っぱらった客を運ぶべく朝までフルに活動しています。という訳で、もしもキルナに来る事がありましたら、夜間の移動手段は無いものと覚悟して下さい。
 もう一つは、少し 真面目な話 です。新春早々済みません。暇を持て余している方はどうぞ。
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