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リハビリ記録その73

2008-12-7
山内正敏

 季節が一ヶ月ほど遅れているのか、10月下旬〜11月上旬に降るべき大雪が11月下旬〜12月上旬にずれ込み、11月に来るべき寒波(マイナス20度)がやっと昨日訪れて、ようやく冬らしくなりました。今日は蜃気楼も出ています。
 
 この1ヶ月は体操療養師との訓練(隔週:階段や室内での歩行訓練)で、予想よりも前倒しで新しい挑戦をしていました。夏休み明け以来、毎回(8回連続で)なにかしら新しい事を挑戦してはいたのですが、10月までは前々からの想定範囲の内容で、例えば階段訓練だと完全装備で『前回よりもよりスムーズな昇り降り』でした。ところが11月は質が少し変わりつつあります。
 例えば、階段昇降では5週間前に初めて膝バンド無しに挑戦しました。これは ビデオ に撮ってあります。一方、ビデオにこそ撮っていないものの、膝バンド無しの松葉杖でも、介護に腰バンドで支えて貰いながら2点確保しかしない(片杖を降ろす前にもう一つの杖を宙に上げる)『交互杖』を始めました。また、平行棒では、腰ベルトで支えて貰って、膝バンド無しかつ完全手放しで前に進む(バランスの為に平行棒を触るけど、体重を支える為ではない)訓練を始めました。いずれも1週間前にはかなりスムーズに出来る所まで進んでいます。もちろん、非常にゆっくりとしか歩けませんが、質的変化には違いありません。特に『交互杖』については予想より半年近い早い達成です。
 他にも階段訓練での進展があり、膝バンドを付けた完全装備ながら、付き添いの肩でなく、 片手を松葉杖、片手を手すりで支えて登る 事に挑戦しました。こちらは本当に自信のない挑戦だったので、登りきったときの達成感も相当なもので、体操療養師から、ビデオ撮影をする必要があると言われた程です。なお、登りで私の能力ギリギリだったので、下りの挑戦は当分先になります。
 プールは階段5段目(水深35cm)にしゃがんでの四つん這い腰浮かしが、かなりの高さまで上がるようになりました、完全に伸ばし切るのも時間の問題でしょう。1ヶ月前にこの訓練を始めた際は、完全に腰を伸ばすまでに半年掛かると思っていましたが、この分だと年内に出来るかも知れません。問題は伸ばす方でなく寧ろしゃがむほうで、というのも腰をゆっくり落とす方が余程に力が要るからです。プールは他に、 片足を水深50cm片足を水深35cmに置いて、手すりは片手だけしか使わずに、座った状態から立ち上がる 訓練を夏休み直後に開始ししていたのが、最近かなり安定して出来るようになって、腕でなく足で立ち上がる感覚を付けつつあります。
 歩行器での歩行の方は、雪ですっかり歩きにくくなった道を、それでも膝バンドなしで6〜7キロ歩く事を始めており(昨年は雪道の長距離は膝バンド付きだった)、もはや膝バンドを使う事が考えられない程になりました。また、登りでは足よりも腕の訓練(歩行器を押さないといけないから)のような感じがするようになって来て、足を意識しない分、脚力がついた事を意味しています。

 さて、前回に書いたように、1週間前から、介護サービスを民間に変更しました。若干の不安はあったものの、滑り出しはスムーズでほっとしています。もちろん、引き継ぎ雑務とか多少ありましたが、リバビリや仕事には殆ど影響しない程度で、寧ろ、介護予定表を作る手間が大きく減った分、精神的に楽になったようです。たとえば今週は年末から1月中旬までの予定表(4週間分ずつ作る)を作ったのですが、今までだっら作り始めてから介護2人の承認を得るまでに最低で10日(5回以上修正)、正味時間で7〜10時間かかっていたのが、今回は僅か2日(1回修正)の正味時間2時間未満で介護3人の承認を得ました。この調子がずっと続いて欲しいものです。
 あと、この1週間は新しい介護サービスの能力を試す機会もありました。私の住むアパートの前の道路は市道でなく私有地で、市道である大通りまで200mあるのですが、その私有地の引き込み道路が昨年まで駐車自由だったのが、この夏から突然駐車2時間制限に代わり、それでも今までは取り締まりを全くしていなかったのが、大雪の続いた2週間前あたりから(恐らく除雪の為だろうけど)突然取り締まりを始めて、それで介護の為の駐車地の確保が急に問題になりました。私の住むアパートに4人、隣のアパートに2人の身障者が済んでいますから、かなりの数の介護(正規介護換算で30〜35人)が影響を受ける事になります。勿論、アパートには月極契約の駐車場はありますが、一日だけの駐車場はなく、そうなると、不定期にしか来ない(下手すると数ヶ月で1日だけとかの)臨時介護に駐車場契約なんて出来る筈がありません。
 火曜日に取り締まりを初めて見かけて、その時に、介護向け、特に臨時介護向けの駐車の問題を、取り締まりの人と話した所、これはアパートの所有者と話をしなければならないとの事だったので、さっそく介護サービスのトップの人にメールを送りました。同時にキルナ市の今までの担当者にも参考としてどうしているのか聞きました。すると、新しい介護サービスのトップは、早速翌日にアパートの所有者と交渉して、交渉が上手く行かないと判断するや、介護サービスと介護の割り勘で駐車場(車1台分)を共同で契約する事を提案して来ました。もちろん駐車場(車ヒーター用電源付き)を即日借り押さえしての事です。そういう提案をして来るのであれば、三方一両損の習いに従って私も加わるのが良かろうと思い(そうすれば私の知り合いが来た時に夜間駐車出来る)、金曜には駐車地のアレンジが終わりました。ちなみに月契約で4000〜5000円、一人頭1000円程度の負担です。
 一方、今までの介護サービスたるキルナ市は『キルナ市職員は駐車場を自力で確保する』という原則があるとの事で、要するに駐車場確保に関して何もしないそうです。所帯の大きい所ならではの問題とはいえ、臨時介護の事を全く考えない『原則』に呆れてしまいました。駐車場対策に関しては、キルナ市と私の介護サービス以外に、私の隣の身障者(昼は介護2人で夜が介護1人)のところのサービス(彼のお祖父さんがやっている)にも参考として聞きました。そこではずっと昔から事務所として駐車場を車2台分を介護の為に確保しているそうです。身内に身障者を抱えている介護サービスは、やはり細かい所まで考えるようです。ちなみに私の介護サービスのトップも、そのお母さんが身障者で介護を必要としており、だからこそそこを選びました。日本でも当てはまる話かも知れません。

 最後に例によって無駄話です。
 ノルーウェーに近いキルナは、ノルーウェーの通貨が(原油がらみで)年々強くなる程に、ノルーウェーからの買い物客が増えています。特にタバコと酒とコーラの3大不健康嗜好品は、スウェーデンとノルウェーの税率の違いもあって相当に売れていますが、他に肉類とかの食料品もノルーウェーの7割〜半額程度の値段である事から、ノルーウェーに一番近いスーパー(アビスコ:キルナから90キロ離れ、ノルーウェー国境から40キロ、ナルビクからも90キロしか離れていない)では、顧客の大半がノルーウェー人という状況になっています。そんな訳で、アビスコのスーパーは、昔(ノルウェーの通過が弱くてスウェーデンしか買いに来なかった頃)こそ全国チェーンのスーパー(ICA)の傘下の小さな売店だったのが、今では独立系の立派なスーパーになって利益を出しています。
 これに目を付けたスウェーデン北方生協(生協と言っても、半分フランチャイズ式で、そのオーナーは経営第一主義ですが)では、アビスコよりも更にノルーウェーに近い、国境スキー場のスウェーデン側カッテヨック(katterjokk=猫谷、国境から3キロの距離)に小型スーパーを出店する事になり、10日程前に開店しました。国境スキー場が2月まで開かない(極夜で暗過ぎる)にも関わらず、今頃開店したのは、明らかにノルーウェーのクリスマス客(肉とかチョコレートとか大量に買う必要がある)を狙っての事です。とにかく、魚を除く食料品は、ナルビクの大型スーパーで買うよりスウェーデンのコンビニで買った方が安いのですから。ちなみに、カッテヨックには別荘団地(本当に団地)も建つので、連中の日用品も売りますが、それはあくまで出店の口実に過ぎません。もちろん、こういう店が本当に大きく儲かるかどうかは向う数年の動向を見なければ分かりませんが、少なくともスキー客や 山歩き客 に便利になった事だけは確かなようです。
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