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キルナ観光/旅行の為のメモ (spring 2018)
by 山内正敏

***** キルナの観光シーズン *****
シーズンは以下のとおりです。

Aurora (Kiruna)
見える可能性のある時期:8月末から4月上旬まで(秋分3週間前〜春分3週間後)
可能性の一番高い時期:9月中旬〜10月中旬と3月中旬〜4月上旬
天気等を総合して一番のおすすめ時期:9月(雪の降る前)

Nacreous Cloud
見える可能性のある時期:12月末から2月中旬まで
出る可能性の高い時期:1月中旬〜下旬(でも10日に1度の周期で現われる)
天気等を総合して一番のおすすめ時期:特になし

Ski tour
3月と4月 

Mountain walking
7月中旬〜9月中旬

紅葉
9月上旬〜中旬

Mountain Flower
咲く可能性のある時期:6月中旬から8月上旬まで
満開の可能性の高い時期:7月上旬〜下旬

***** 天気 *****
(1) どの家も暖房がしっかりしているので、真冬でも部屋のなかは日本の5月や9月と変わりません。外に出るときの暖かいジャケットとあれば分厚い靴(滑らないもの)があれば十分です。
(2) 外は普通の冬なら日本のスキー場よりは体感的に暖かいと思います。
(3) とにかく足から冷えるから、その対策が絶対必要です。底の厚い靴や、靴用のホッカイロ等が便利でしょう。
(4) 手袋はミット式(4本指が分かれていない奴です)と普通のもの(作業用)の両方をお薦めします。帽子は耳を暖めるものが快適でしょう。

***** 両替 *****
(1) お金はスウェーデンクローナ(SEK)で、ユーロではありません。
(2) キルナ市の銀行はどこも外国為替を廃止しました。日本の空港かストックホルムの空港で換金を忘れてはいけません。日本円(JPY)から直接両替できます。
(3) スウェーデンは急速に電子マネー(デビットカード)が普及しており、バスや一部の店では現金を使えません。クレジットカード(デビットタイプ)が必需品となります。タクシーによっては日本のすべてのカードが通じるとは限らないので現金はあったほうが無難です。
(4) クレジットカードの利用に際に、暗証番号が必要になります。ご存知でない場合には事前に余裕を持ってクレジットカード会社に確認しておいてください。
(5) クレジットカードをサインで利用する場合には身分証明(パスポートか国際免許証)を求められます。

***** 電話 *****
(1) スウェーデンは一般に公衆電話が少なく、特に人口密度が低いキルナでは公衆電話はないと考えて下さい。
(2) キルナは僻地なので「海外で使える携帯電話」の受診範囲外の可能性があります。出発前にご確認を。

***** 交通機関 *****
(1) 空港から市内にはバスが走るようになりましたが、深夜便などでは乗合タクシーが無難です。空港バスの時刻表は
kiruna.se/Kommun/Trafik-infrastruktur/Busstrafik/Flygbuss/
(2) 乗合タクシーの予約は
taxikiruna.se/kontakt/
Taxi Kiruna / +46 980 120 20
bokning.taxikiruna@telia.com
値段表は
taxikiruna.se/priser/
です。 なお、検索上位に出てくるFlygtaxiという会社は、特別な場合を除いては倍〜3倍の値段をとり、10分以下の短距離に1万円要求することもあります(法律上それが許されている)。
(3) 鉄道駅は少し離れていますが、市の中心まで無料の接続バスが走っています。時刻表は
kiruna.se/Kommun/Trafik-infrastruktur/Busstrafik/Tagtransfer/ キルナではごく一部の便を除いて空港バスはありません。確認したければ、長距離バスのサイト
(4) 長距離バスはhttp://www.ltnbd.se/
を参照してください。キルナーアイスホテル間もあります。
(5) キルナ/アビスコ(Abisko)/ナルビク間なら汽車やバスが便利です。汽車のサイトは
http://www.sj.se/
(6) キルナのように広いところは、国際免許でレンタカーを借りるのも便利です。軽で一日1万円ぐらい。ただし、山間部(ノルーウェー国境とか)は雪で閉鎖になることも多く、それで帰りの飛行機に乗り遅れた人すらいますので、時間には余裕を持ってください。
(7) キルナに就航している航空会社は2つあって、SAS と Norwegian です。
SAS www.sas.se/ は普通の航空会社で説明の必要はありません。
Norwegian www.norwegian.com/se/ は格安会社で、他の航空会社との乗り継ぎ協定を一切やっていないので、使用の際は少なくとも帰りは1日以上の予備日をストックホルムで過ごす必要があります。

***** 医療 *****
(1) キルナで観光客が医者にかかると、診察だけで 2000 SEK ほどかかり、救急車で呼ぶと 3000 SEK 近くかかります。旅行保険に入るかどうかの参考にして下さい。
(2) なお、クレジットカードに簡易の海外旅行保険が付帯されていることがありますが、その内容はカードの種類によってかなり違います。医療保険が入っているか、或いは有効条件(例えば「旅行代金を当該クレジットカードで払った場合にのみ有効」等)を必ず確認して下さい。

***** 食べ物 *****
(1) 一般的に、一週間ぐらいの旅行者が一番欲しがるのが醤油味の食べ物とお茶ですが、当地には小瓶の醤油もお茶もないので、小型の醤油とティーバッグのお茶を持ってくると良いでしょう。
(2) 日本に比べて乾燥しているので、喉飴や黒飴の類があると便利かも知れません。
(3) 魚で美味しいのは「フェルレッディング」です。トナカイは専門店が一番美味しいですが、大きなスーパーでも手に入ります。

***** お酒 *****
(1) 軽いビールや炭酸飲料などの低アルコールの飲料(3.5%を超えないもの)は、ほとんどのスーパーで売っています。
(2) ワインやウォッカなどの3.5%を超えるものは「システム・ボラーゲット」という専門店でのみ販売されています。 キルナでは町の中心に一つあり、平日6時までと、土曜10〜13時のみ営業されています。アビスコ(Abisko)には酒屋が無いため、3.5%以上のお酒の入手はキルナ市内まで来る必要があります。

***** 土産 *****
(1) キルナ在住の日本人へのお土産は「日常使う乾物や調味料」「日本食の材料」「普段食べる生菓子や駄菓子」「おつまみ」「普段飲む日本酒/焼酎」「薬や湿布」が一番で、高級品なぞを持って来ても余り喜びません。具体的には訪問する相手の人に直接尋ねるのが無難でしょう。また、内容によっては小説や漫画も喜ばれまが。これは必ず訪問する人の意思を確認してからにしてください。
(1) 消費出来ないお土産(ホッカイロ等も)や料理に少しだけ手間のかかる高級材料(塩ワカメとか)は迷惑です。
(2) スウェーデン人には日本のチョコレート菓子(ポッキーとか生チョコとか)が喜ばれるようです。シュウマイや餃子も結構喜ばれます。

***** 宿泊 *****
(1) キルナでは、一部のホテルを除いて夜間に受付がいなくなり、10時以降に到着した客が行き当たりばったりで泊まる事は出来ません。必ず予約を入れて下さい。
(2) インフォメーションセンターのサイト
www.kirunalapland.se/en/
にホテル/コッテージ/ユースホステルのリストがあります。
www.kirunalapland.se/en/accommodation
(3) 人件費の高いスウェーデンではホテルの値段は日本の倍程度ですが、ユースホステルは安くで泊まれます。大まかな値段は以下の通り
(a) Hotel : double room with breakfast = 1500-2000 SEK / room
(b) Low price Hotel : double room with breakfast = 1000 SEK / room
(c) YH / turist-Hotel (toilet/shower in corridor) = 300-500 SEK / person
(d) Cottage (2 sleeping rooms + kitchen + shower) = 1000-2000 SEK / cottage


***** オーロラ旅行を計画する際の留意点 *****
オーロラ観光に一番良いのは9月です。8月は白夜の名残で、夜が短く、8月末にならないと駄目ですが、9月はいきなり良くなります。以下、客観的情報です。
(1)オーロラ自体は9〜10月と3〜4月が大きい。
(2)夜が十分にあるのは9月1日から4月10日までで、8月25日〜4月15日はなんとかオーロラが見えます。
(3)夜、外で粘るのに良い(=観光客や写真に良い)のは雪のない秋口です。

 オーロラはすべてお天気任せです。以下は拙著『北極圏からの手紙』(鉱脈社、宮崎市、 ISBN 4-906008-04-6、1998年8月)からの抜粋です。詳しくは本を参照してください。

 オーロラは春分秋分が良い。真冬の12月ー1月はやや劣る。ただし、その差はあまり大きくないので、こんな事より天気(曇っていては話にならない)や気温(余りに寒くては長時間外に立っていられない)の方が観光客には大切である。極北で比較的天気が安定するのは春3月で、次に晴天の多いのが秋9月である。従って、オーロラ発生頻度のみならず天気や気温の面でも春分秋分が良い。特に9月上〜中旬ともなれば紅葉・雪なし・小春日和なので、長時間外で粘る事が出来る。「長時間粘る」がオーロラを見る際に一番大切な要素だから、もしも純粋にオーロラがみたいのなら(=もしも「極北の冬」だの「雪と氷の世界」だのに拘わらなければ)、秋のほうが観光客向けである。秋は写真撮影にも良い。実際、私の撮ったオーロラの写真で良く出来たものは9月に多い。言うまでも無いことだが、夏は白夜で空が暗くならないから星もオーロラも見えない。
 一番のネックである天気だが、これが一番予想が難しい。極北では毎冬1〜2ヶ月の雨季(雪季)がやってくる。その期間は本当に悪天候が続き、一月で晴天が2日だけという事もしょっちゅうである。問題なのは、この「雨期」が日本の梅雨と違って一定しない事である。普通、太陽の弱い10月から2月の間のどこか一ヶ月(または二ヶ月)が雨季になる。ひどい年だと、3月にずれ込んだ梅雨がオーロラ研究者を嘆かせる。従って、梅雨に会わないようにするには、出発予定のの2・3週間前に気象学者に相談するのが一番である。

 天気などの問題点を承知でオーロラ観光に行くのであれば、あとはオーロラ以外のアトラクションを基準に旅行計画を立てるのが常道です。お勧めは Kiruna (dog sled + snow scooter) -> Abisko (stay ski) -> Narvik -> Lofoten のルートで、これだとたといオーロラが見えなくとも満足して帰ることが出来ます。ただし、この場合の移動は国境を越えるので、レンタカーの乗捨てはできません。

***** カメラ/ビデオ *****
 普通は大きなオーロラ(これはほんの5〜10分)の前に弱いオーロラが30分〜2時間続くので、この弱いオーロラを見つけるのが一番大切ですが、これは人間の目で雲と判別出来ないことが往々にしてあります。幸いなことに、最近のデジカメ(夜景モード)は、そんな「雲と見間違う」オーロラをも緑に写します。従って、オーロラを待つ間は最低でも30分おきにデジカメで北の空を写して、弱いオーロラ(大オーロラの予兆)を探すのが初心者にはベストでしょう。
 ビデオでは高級品だとオーロラがくっきり写りますが、安いビデオでは感度が低く、映らない場合もあります。

***** オーロラ観光に便利なコッテージ *****

(1) Abisko area
(1a) Abisko Turiststation, STF
0980-402 00
info@abisko.nu
www.abisko.nu

(1b) Camp Abisko
0980-401 48
info@campabisko.com
www.campabisko.com

(1c) Hotell Lapporten
0980-667 00
mail@lapporten.com
www.lapporten.com

(2) Kiruna 市内
(2a) Ripan
0980-630 00 / 070 344 00 81
ripan@kiruna.se
www.ripan.se

(2b) Gullriset L"agenhetshotell
0980-109 37 / 070-651 45 31
fabgullriset@hanna.kiruna.se
www.fabmf.se/gullriset

(2c) Kiruna Rumsservice
0980-195 60 / 0980-131 47
www.kirunarum.se

(3) ICE HOTEL
Icehotel
0980-668 00
info@icehotel.com
www.icehotel.com
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***** Air Ticket *****
Narita-Arlanda/Stockholm 往復と Arlanda-Kiruna 往復を買う必要があります。
(1) Arlanda-Kiruna 往復は Economy Class で往復3〜5万円、Business Classで往復7〜9万円
(2) そもそもキルナ便は数が少なく、平日だと
Arlanda/Stockholm >> Kiruna
 昼食時 (non-stop)
 深夜 (one stop)
Kiruna >> Arlanda/Stockholm
 早朝 (one stop)
 昼食後 (non-stop)

(3) Narita-Arlanda/Stockholm 往復は、SAS, Finnair, Lufthanza, Air Chinaが所要時間の割に値段が安い部類となります。